水曜日, 9月 12, 2007

ろ過について

長いこ滞りすいません。。。
唐突ですが、今日はろ過について話したいと思います。

前回お話したように今期の製造が始まりまして、早1ヶ月。
最初のモロミも2仕掛けが順調に進み現在蒸留工程に入っております。
ご存知の方も多いと思いますが、
当蔵の場合、伊勢吉どん、轟の黒、鴨神楽、小牧、紅小牧など
蒸留後、一切ろ過を行っていません。

でも決して手を抜いているわけではないのです。

そもそも焼酎のろ過とは、不純物や、ある一定の油分を取り除き
酒質を一定にする為の工程で、簡単に言えば
油分(フーゼルなどの焼酎の旨み成分のひとつ)が
多すぎると芋くさく重い焼酎になり
逆に少なすぎると、芋の風味がとび、パンチのない焼酎になります。

そこでろ過機を使い、各蔵ごと独自の精製方法でろ過を行うのですが
当蔵では、ろ過のかわりに油分を掬う作業をいたします。

蒸留後毎日、朝夕1回ずつ甕に浮かんでくる澱や油分を掬うのです。
そんな簡単なことと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
ろ過機で瞬時に行うのではなく、何日も何日も長い時間をかけ、
焼酎自身の力で不純物を排出させるのです。
すると旨み成分は内部でギュッと凝縮され、どんどん熟成されていき
不純物だけが表面に浮かんでくるので、これを掬う。

これがなかなか手間もひまもかかるのですが
丁寧に丁寧に行うことによって、芋本来の上品で、かつ、まろやかな
なんとも奥深い味に仕上がるのです。

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